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1999年の例会

第13回例会 1999年11月

NLT 毒薬と老嬢

作:J.ケッセリング 演出:G.デール 訳:黒田絵美子
出演:淡島千景,淡路恵子 他

 時は第二次世界大戦が始まろうとする頃。ニューヨーク・ブルックリンの閑静な住宅街にあるブルースター家の居間での出来事。
 登場人物はアビーとマーサの老姉妹。この二人は大変な慈善家で人のよいおばあちゃま。屋敷の前に「部屋を貸します」の貼紙を出し、訪ねて来る身寄りの無いお年寄りには、手作りのおいしい「ぼけ酒」でもてなしている。同居人の甥のテディは、自分が大統領だと信じていて、地下室にパナマ運河を掘っている(?)テディの弟で新聞記者のモーティマーもこのおばあちゃまが大好きだ。しかし、居間のチェストの中で見てはならない大変な秘密を見てしまう。
 そこへ、殺人罪で逃亡中のもう一人の甥、ジョナサンがフランケンシュタインの面相で帰ってくる。しかも、怪しげな外科医と共に・・。

第12回例会 1999年8月

木山事務所 はだしのゲン

原作:中沢啓治 脚本・作詞・演出:木島恭
出演:田中実幸 前田昌明

 1945年(昭和20年)8月6日午前8時15分、ゲンが学校に向かう途中、火の玉のような巨大な光が目の中に飛び込んできたと思った瞬間、いっさいの記憶が途絶えてしました。広島上空にアメリカの爆撃機B29が現れて「原子爆弾」が投下されたのです。
 背中にのしかかった瓦やレンガの中から、やっとの思いで這い出したゲンの目に飛び込んできたのは、全身にガラスがささったり、皮膚が焼けただれたたくさんの人たちが、幽霊のように水を求めて歩いていく、まさに生き地獄のような光景でした。
 ゲンの家は崩れ落ち、柱や壁の下敷きになった父、姉、弟を必死に助け出そうとしましたが,、結局肉親3人の焼死を目の当たりにするしかありませんでした。
 一瞬のうちに、約14万人の広島市民の命が奪われました。
 やがて、焼け跡の風景の中にこだまする”オギャア!”という産声・・・。妊娠中の母がショックのあまり産気づき、女の子を出産したのでした。新しい命の誕生!
 ”この戦争は間違っている”と言い続けて死んでいった父親の気性を受け継いで,そのあともゲンは、青麦のようにまっすぐに強い心のままにいきぬいていくのでした・・・。

第11回例会 1999年6月

地人会  早春スケッチブック

作:山田太一 演出:木村光一
出演:江波杏子 伊藤孝雄

都は未婚のまま生んだ息子を連れて、やはり娘を持つ省一と結ばれ幸せな家庭を築こうと努力しあっている。ある日、かつての恋人で息子の父親・竜彦が現れ・・・。

第10回例会 1999年2月

九プロダクション  枯れすすき

作:新藤兼人 演出:神山征二郎
篠田三郎 日色ともゑ

日本を代表する不世出の童謡詩人・野口雨情。その波乱に富む生涯。
「西洋文化をむさぼるように吸収しようとした大正から昭和にかけて、・・・人みな都会文化に憧れたとき、おれは河原の枯れすすきとは、なんという反都会性であろう。・・・花も咲かず、人に愛でられることもなく、おれは生きているんだ、と作者の視線は低く低くおかれている。」(新藤兼人)


 

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