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2025年10月28日(火)18:00開演 こまつ座公演 きらめく星座 |
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あらすじ
昭和15年の秋。まもなく整理の対象になっている浅草にある小さなレコード店・オデオン堂。
そこに暮らすのは店主の小笠原信吉と後妻のふじ、長女のみさを、そして広告文案家の竹田と夜学に通う学生の森本も同居している。
太平洋戦争前夜の軍国主義一色の時代に、無類の音楽好きが集まったオデオン堂。
ある日、長男の正一が脱走兵として「非国民の家」となるも、みさをが「軍国乙女」となってから一転「美談の家」となる。
戦地で右腕を失ってもなお、骨の髄まで軍国主義の塊である婿・源次郎。
そして逃げ回る正一を追いかける憲兵伍長の権藤を巻き込んでの大騒ぎとなるが・・・
それぞれに信じてきたものが壊れていく時代の中で、「せまいながらも楽しい我が家♪」の歌詞を地でいくオデオン堂と、時代に巻き込まれながらも幻のようにピカピカひかる人間の儚さと力強さを見事に描き出していきます。
『きらめく星座』
『きらめく星座』は、こまつ座旗揚げ翌年の1985年、井上ひさし自身の演出によって初演されました。
「昭和庶民伝三部作」の第一作目(二作目は『闇に咲く花』、続く三作目は『雪やこんこん』)である今作は、太平洋戦争突入前夜の昭和16年12月7日までの約1年間を描いた作品です。
戦争の足音が忍び寄るなか、東京・浅草のレコード店「オデオン堂」を舞台に物語は紡がれます。
庶民のごく普通の小さな幸せを分かち合って暮らす生活が、時代の旋風が吹き荒れることで大きな渦へと巻きこまれてゆく、激動の時代を懸命に、そして活き活きと生きた一家の物語。
井上ひさし得意の音楽劇の代表的傑作として、劇中ではピアノの生演奏にのせて「青空」「一杯のコーヒーから」など昭和初期の流行歌の軽快なメロディーが舞台を弾ませます。
今作は井上ひさし唯一の“私戯曲”とも言える作品で、繰り返し上演を重ね好評を博し、2017年公演は8回目の再演にもかかわらず第72回文化庁芸術祭演劇部門にて大賞を受賞しています。
こまつ座とは
1983年、作家・劇作家の井上ひさしが座付作家として立ち上げ、翌年『頭痛肩こり樋口一葉』で旗揚げ。
以降、井上ひさしに関わる舞台を専門に作り続けています。
近年の受賞作に2003年読売演劇大賞最優秀作品賞(『太鼓たたいて笛ふいて』)、2010年読売演劇大賞芸術栄誉賞(井上ひさし)、2012年紀伊國屋演劇賞団体賞
(「井上ひさし生誕77フェスティバル2012」の舞台成果)、2016年読売演劇大賞優秀作品賞(『マンザナ、わが町』)、2017年文化庁芸術祭賞の演劇部門において関東参加公演の部で大賞を受賞。
2020年第5回『澄和Futurist賞』(顕彰事業)受賞。その他にも受賞歴多数。
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