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第90回例会

2016年4月27日(水)

芸無名塾公演 

  おれたちは天使じゃない

スタッフ
 作:アルベール・ユッソン
 脚色:サム&ベッラ・スピーワック
 翻訳・演出:丹野郁弓
 出演
  仲代達矢 西山知佐 菅原あき 松崎謙二
  赤羽秀之 平井真軌 神林茂典 松浦 唯
  吉田道広  他 無名塾


(あらすじ)
三人組の囚人がなんの因果か人助け!?
抱腹絶倒&心温まる絶品コメディ!!。

南米の明るい海辺の町——は実は犯罪者の流刑地。とある夫婦の営む雑貨店にも、収監中の三人の囚人が雇われてきます。店主たちの不安をよそに、この三人、ひょんなことから店の窮状を知るや一致団結。その絶妙のチームワークに店主夫婦も大喜び。が、やがて最大のピンチが・・・。凸凹夫婦に因業オーナー、純情娘とその恋人、そこへ天使のごとく活躍する囚人三人組が入り乱れ、事態は思わぬ方向に。
ブロードウェイで大ヒットし、ミュージカルや映画でも知られる傑作を、無名塾が総力を挙げてお届けします。


  

無名塾「おれたちは天使じゃない」
赤羽秀之(囚人役のアルフレッド)にインタビュー


  Q 「無名塾」や演劇との出会いについて?
無名塾に入るまでは演劇を観たことはなくて、映画が好きでした。小学校から大学まで剣道ばかりやっていましたが、大学に行ったらとてもとてもレギュラーになれそうになく、だんだん気持ちが剣道から離れてしまいました。
映画が好きだったので観る方から演じる方になりたいという気持ちになって、教えてくれるところをいろいろ調べました。
大好きな黒澤映画に仲代さんが出演されており、仲代さんの無名塾は知っていましたので、どうせ受からないだろうと思いながらも無名塾を受けてみました。
今は養成所に入って地道に3年間修行し一からやるという人も少なく、どこかのタレント事務所からぽんと出るような感じなので受験人数も少ないのですが、その当時は800人位いました。以前はもっと多かったのですよ。
同期は五人でしたが、3年目で三人になり、今無名塾に残っているのは僕一人です。
試験を受けたときは演劇について何も知らず、今でも何かに染まっているよりは白紙のままの方が良いというところはありますが、当時も剣道と関係ないところで一からやるという感じでした。

Q 無名塾に入ってみてどうでしたか?
はっぱをかける意味だったと思いますが、朝6時に来てジョギングをするように言われるのですが、いかんせん大学の合宿はもっと早かったので僕にとってはたいしたことではなく、早く来た順から稽古場が使えるので競って早く来ました。ただ稽古場の近くに住んでいる人と遠い人とではハンディキャップがありましたが。
稽古日が週3日で、声楽や殺陣などの時間割やカリキュラムが決まっているのではなく、ひたすらエチュードという抜粋した場面を練習して、それを見せてだめ出しをされてまた修正して次に進んでいくというやり方で、仲代さんはお忙しくて時々のぞきに来て冷やかして帰るという感じでしたが、奥様の宮崎さんが朝から晩までずっと見ていてくださいました。

Q 旅公演での裏話とか、面白い話、苦労話など聞かせてください
今回105ステージで、今日みたいに一回で終わるところもあれば、福岡などのように10日間ほど滞在するところもありますが、乗り打ちバラシ(舞台の準備をして一回の公演でまたバラスこと)が続くと大変で、2日でも3日でも滞在できると身体は楽です。鑑賞会から呼んで頂きお芝居をさせてもらうことが嬉しいので、いやだとかいうことではないですよ。
今年は塾生が6人と少なく、5年生以下がスタッフと一緒に補助要員として付いています。人数が足りなくて全員で準備をやっています。
ただ5年生以上は年も年なので疲れが残るから、2班に分かれて交替でやっています。
今日はB班が準備していますが、僕はA班なので、明日の京都ではスタッフと一緒に舞台の準備をします。

Q 昨年度、文化勲章受章の仲代さんについて?
83歳でよく台詞がおぼえられるなあと思います。また軽やかによく動く。
足が痛いと言いつつ舞台ではよく動く怪物で、終わった後は気力を使いはたしてヘロヘロです。
目指してなれるものではないですね。仲代さんを客席から観ることはできるけど、一緒の舞台に立てるのは貴重な時間だなと感じています。
ほんと、最後の重鎮です。芸には厳しい人ですよ。
ただ間違えたことに対しては、例えば台詞を間違えたり忘れたりすることについては寛容で「間違えようとして間違えたわけではない、私も間違えることはある」と言われます。
しかし、芝居に対する姿勢、取り組み方には厳しくきつく叱られます。
 

Q 仲代さんが喜ばれるのはどんな時ですか
舞台で受けた時です。おとなしく観ているのではなく、面白かったら遠慮せず笑ってほしいですね。
反応してもらえるとこちらにも伝わりますが、行儀よくおとなしく観ていられると伝わりません。楽しんで観ていただくことですね。
そんなにシビアな哲学的な芝居ではないので、終わった時、楽しかったねと帰ってもらえたら成功の芝居です。
結構うちの芝居は重い芝居が多いのですが、『ドンキホーテ』も今回も重い芝居という感じではないし、『バリモア』も面白いですね。
最近そういう作品が多くなっているのかな。三大悲劇などは最後ドーンときて終わる。そうそうマクベスで最後に首を切ったのが僕ですよ。

Q 演劇鑑賞会については?
うちの芝居を鑑賞会さんに取り上げてもらえるのは、商業べースにのる芝居ではないのでありがたいです。
たとえば、蜷川さんは時代背景をいじったりジャニーズのメンバーを使ったりしますが、そうしなければチケットが売れないのではと思います。
うちのように純粋な芝居、新劇というような芝居は鑑賞会さんに取り上げてもらって上演することができます。
会員さんも自由にチケットを買って観に行くということになると、自分の好きな芝居だけを観て、観るものが偏りますが、鑑賞会だといろんな作品を観るので意外によかったねということにもなり、自分にとって発見にもなったり、食わず嫌いだったと気づいたりっていう事もありますよね。


Q 『おれたちは天使じゃない』というとイッツフォーリーズのミュージカルがあって比べられたりすると思うのですがいかがですか?
まだ観たことがないので比較はできないですね。うちではミュージカルは絶対にできませんが、今回は一曲だけ歌うのですよ。楽しい雰囲気になればいいと思うので上手に歌おうとは思っていません。
みんなで楽しくクリスマスソングを歌うというシーンがあるのですが、ミュージカルのように歌を聴かそうと思っているわけではありません。
うちでも『森は生きている』というミュージカル作品がありますが、メインどころには客演の方を呼んでいます。
仲代さんからあの作品への出演依頼があり、歌わない役だと言われて断る理由がなく出演。ところが、始まったら最初に歌う場面があって、歌うだけで精根尽き果てて芝居が止まってしまって。
「誰だ?台詞忘れているの。俺だ!」です。

Q 大事にされていることは?
今旅していると大学時代の仲間が色々な所にいて、仲間って大事だなって思います。
一時だけ同じ時間を過ごしたというのでなく、ずっとつきあっていける友達がたくさんいるっていうのは幸せだな。
そういう関係を大事にしていきたいなと思います。だんだん疎遠にもなるし、一生つきあえる人って少ない。チラシをどこかで見て、向こうから「お前また来るの?」という電話が来たりする。
こちらから連絡するのが普通なのに、ありがたいなって思いますね。行く先々で飲みに行ったりして。特に九州が多いです。


第90回無名塾「おれたちは天使じゃない」運営サークル活動報告

組 織 状 況
会員数 619名
退会者数 17名
入会者数 35名
増 減 + 18名
正サークル数 96C
サークル数増減 + 1C
例会参加者数 514名
例会参加率 83%
複数参加サークル数 7C
集会開催サークル数 3C
 
運営サークル活動参加状況
サークル数 18サークル
総人数 90名 参加率
運営サークル活動 第1回 14サークル 14名 78%
第2回 15サークル 16名 83%
第3回 14サークル 15名 78%
第4回 15サークル 15名 83%
第5回 11サークル 11名 61%
第6回 13サークル 13名 72%
まとめ 7サークル 8名 39%
クリア―サークル率 8サークル/ 18サークル 44%
新入会員の運営サークル拡大率 14名/35名 40%

第89回「切られお富」運サ会の終盤追い込みの最中、第90回の運サ活動が2/6にスタートした。
2月末で締めた退会者数は17名と少なかったが、3/26の総会で議決されるであろう財政の安定化と年6例会を目指しての9月からの会費値上げで、今後は退会者が多くなることを考慮し、第3回の「運サ会」では前例会会員数601名を上回る会員数615名を目標に活動することを確認した。
この目標値には一抹の不安もあったが、結果は新会員35名の入会で会員数は619名と過去5年間で最高の会員数で例会を迎えることが出来た。
前例会運サの種まきが功を奏したり、「仲代効果」と思われる広報(新聞、ポスター、情報誌)を見ての問い合わせ、そして運営サークル外からの入会も多く、この結果は演鑑総ぐるみの活動で得られたものだと思う。
運サからの入会は14名で拡大率、クリア率が40%台に終わり、「新入会持ち寄り」が未だサークル内で徹底していない事が窺われ、今後の課題として残った。
 3/15の「魅力を知ろう会」ではジュール役の松崎謙二さんが「この芝居は無名塾40周年を記念したものであり、昨年の仲代さんの文化勲章受章も含めて、各鑑賞団体からは祝福ムードで歓迎されている。
又、私が講演した団体では全てクリアとの話を聞き、「ひこね」でも舞台と観客席が一体になった劇場空間を作り祝福し、そして必ず目標をクリアして劇団を迎えようと運サ会で話し合った。
 この時点ではまだ会員数も前例会に及ばなかったが、その後会員数は右肩上がりに増え、お通しには協力出来ないからと多数の新入会員のお誘いをした会員、又その逆のケースもあり、「それぞれが出来ることを」と運サ会の団結ムードが徐々に高まっていった。
 例会当日は、搬入作業の傍ら祝賀の為に大きな祝賀横断幕と垂れ幕の設営等で大忙しではあったが、心のこもった沢山のお通しやお花、そして麦わら帽子とボーダーシャツを着ての会場運営、終演後の交流会と楽しい思い出の多い例会となった。
 初めて参加した会員の「運サの力があって、こうして芝居が観られることが分かった」との感想、そして会員数を大幅にクリア出来た感激を、これからの活動に皆で繋げていけたらと思っている。(チロリアンベルS 椎名 勇)


新会員を迎えたサークル
【運営サークル】(8サークル・14名)
たかやっち、雅、チロリアンベルT、チロリアンベルS、あやめ1、きさらぎ、すみれ2班、あい・まい・みー

【運営サークル以外】(12サークル・21名)
グノン、チロリアンベルU、ナチュラル2、ふたば、ふきのとうY、桜、伊藤C、無根水、つばさ、稲穂ひこね、徳永C、オレンジ静

【合計】20サークル・35名


「おれたちは天使じゃない」の運営サークルに参加して

無名塾の仲代さんが素敵で、そのステージを見たくて演鑑に入会したのは 2007 年。 翌年の「ドン・キホーテ」以後、なんで彦根には来てくれないのかと思うこと 8 年。
やっと彦根に来てくれる!
毎回の例会はそれなりに(劇団のみなさま、ごめんなさい)楽しんではいたが、担当の時も仕事を理由に、当日来ればできる簡単な役割をさせてもらっていた。
ところが、今回は大ファンの仲代さん!無名塾!そうはしていられない! 会議の日程を優先し仕事を調整(いつも人任せにしていてごめんなさい)。
やればできるではないか・・・恐るべし無名塾!仲代さんの威力!
急に決まったらしい「松崎謙二さんのお話を聞く会」は、午前がたまたま彦根での仕事でラッキーだった。
お昼ご飯も間に合いそうと参加したところから私の活動は始まったと思う。
今までは「ステージの上にいる俳優さん」だった人が等身大の人として目の前にいるのを実感できた(仲代さんもいいけど松崎さんも隠れいい男なんだよね)。
例会準備のあれこれも、松崎さんのお話をお聞きしたことで、よりイメージできたと感じている。
今までは能登演劇堂や東京で観てきた無名塾だけど、例会で迎え、その準備にかかわれたことは本当に楽しかった。楽しすぎた!!
9 年目にして初めての、事前学習会参加・プレゼント準備・お通しの準備・駅でのお出迎え・搬入・アナウンス担当・交流会でのお食事、などなど貴重な体験だった。その一つ一つが楽しかった。
これらのことが演劇鑑賞会ならではの醍醐味なのだろう!
訳もよく解らないままに運サ会議に参加、未熟者の無謀な提案にも皆さまからの「大人なアドバイス」、気持ちよく運サ活動できたこと、たくさんのことや、人に出会えたことに感謝!
(かなり暴走していたかも) 演鑑の、運サの、無名塾の、心温かいみなさま、ありがとうございました!
(きさらぎ 荒川育美)

今回初めて運営サークルに参加させて頂きましたが、サークルの皆さんのパワーに圧倒されっぱなしでした。
沢山のお通し、大きな横断幕と垂れ幕、囚人服の様なコスチューム、どれもが「おれ天」を盛り上げようとしておられる姿に、ただただ感嘆しておりました。
搬入では普段見られない裏方の作業に触れとても興味深かったです。
又、最前列での鑑賞でしたが、役者さんを間近で観ることができ幸せな一時でした。
運営サークルならではの醍醐味ですね。
交流会を楽しみに今回入会した主人も、観劇後の盛り上がった会に初参加し大満足でした。ありがとうございました。
(たかやっち 高谷直子)

たまたま、サークル代表から依頼があり参加した運営サークル会。座っているだけでいいかなと軽い気持ちで参加してみました。
とこらが、予想に反して次から次へと運営サークル会やシール渡し等の作業に追われ、又鑑賞会に向けての思いや、新入会員のお誘い状況など発言の機会も多々ありました。
戸惑いながらも何とか役割を終える頃には、例会当日だけ参加していた私にとっては運営サークルの皆様がそれぞれの役割に責任を持ち、裏方の仕事に徹しておられる姿に頭が下がる思いと同時に大変刺激的な経験となりました。これこそがみんなで作り上げる「ひこね演劇鑑賞会」なんだと痛感しました。
「おれたちは天使じゃない」の公演後、お誘いした新入会員さんと交流会に初参加してみて、役者さんの演劇に対しての考えや劇団への思いなど、生の声を聞くことができ、今後はなお一層観劇する面白さや素晴らしさを感じていければという思いになりました。
(チロリアンベルT M・N)

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