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第85回例会

2015年6月 未定

加藤健一事務所公演 

 バカのカベ
      〜フランス風〜
  LE DINER DE CONS FRANCIS VEBER


作:フランシス・ヴェベール

訳・演出:鵜山仁

■CAST
ピエール・・・・・風間杜夫
フランソワ・・・・加藤健一
ルブラン・・・・・新井康弘
シュバル・・・・・清水明彦(文学座)
アルシャンボー・・西川浩幸(演劇集団キャラメルボックス)

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クリスティーヌ・・日下由美
マルレーヌ・・・・加藤忍
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<声の出演>
メノー・・・・・・・平田満(友情出演)





加藤健一さん・新井康弘さん・加藤忍さんにインタビュー 【ひこね演劇鑑賞会会報係からのインタビュー】



●この作品を選んだ理由は?
カトケン:一年間に200冊近い本を読む中の2本くらい選びます。読んでいて笑っちゃうとか泣いちゃうとか鳥肌が立っちゃうとか自分が感動したものをやります。まあ、100冊に1本くらい見つかるわけですね。『バカのカベ』は演出の鵜山さんが翻訳していましたので、手に入りやすかったんです。

●新井さんは喜劇に出演することをどう感じられますか?
新井:あまりシリアスだとか喜劇だとかという意識はありません。昔はコントとかやっていたんですが、今回は笑わせるために動くんじゃなくて、内容がおかしい部分がたくさんあるので、勉強になりますし毎日が楽しいです。

●忍さんは加藤さんの作品に多く出られていますが、『バカのカベ』はどういう印象ですか?
忍 :『バカのカベ』は今までの芝居人生の中でも一番出演時間が短く、その中で「あの女が来る、あの女が来る」と噂になって、責任重大な難しい役なので、どんな女性になるかわかりませんでした。演出の鵜山さんと作っていって今回の女性像になったのですが、出番の前は毎回緊張します。

●2013年に初演を迎えられての再演ということですが、気持ちの違いはありますか?
カトケン:再演の方がやりやすいです。初演は成功するか負けるか賭けみたいなところがあります。地道に稽古しているから、そこそこ失敗はしないですが。稽古をいっぱいして演出や演技もいろいろと計算していても、それでも負ける部分があるんですね。でも再演は初演の反応がわかっているので、賭けの部分に使った時間を別の方向に使えます。作品や人物像を深めるための時間に使えるので楽ですね。初演はどうしてもコメディだから笑わせなきゃって、色んなパターンを出して稽古をするんですが、笑うってわかってれば、もっと普通にして笑わせようとか変なことしないで笑わせようとか、そういう高度な笑いに持って行けます。今回も一人一人を見ていると、誰もおかしなことをしていませんよ。

新井:自分自身がびっくりしたのは、再演の稽古が始まった時に、これほど覚えてないものかと。再演なんですが、また一からという感じです。でも体は覚えていて、初演とは違う感じもしました。舞台に立ってお客さんの笑い声を聞いたら、ああこういうことがあったなあって蘇ってきました

忍 :再演の稽古に入る前に初演のビデオを見たのですが、ああ見るんじゃなかったって思いました。出番が少ないから気負いすぎちゃう部分が強くて、こういう女性だと見せようとする意識があったのがよくなかったです。今回、キャラクターが初演で作られているので、もうちょっと自然にやらなければとビデオを見て反省し毎日頑張ってます。再演できると新たな発見があってラッキーです。

●元々の舞台や映画は、芝居を作る前に見ましたか?
カトケン:私は、芝居を作ってから見ました。『バカのカベ』はヨーロッパで1000万人を動員した大ヒットコメディですが、うちの『バカのカベ』のほうが面白いですよ!ぜひ借りて見比べてください。

●翻訳して演出もされた鵜山さんは、役者から見てどんな人ですか?
カトケン:鵜山さんは元々クラシック歌手だったんですよ。演出家として非常に粘り強い人で、しつこいと思う時もあるんですが後から考えればとても助かります。鵜山さんの言ったことは正しかったんだなってわかりますね。演出家の中には何回か言ってもできないなら「いいや」って思う人も多いのですが、鵜山さんは諦めない。幕が開くまではずっと言い続ける粘り強い性格です。

●失敗談やおバカ体験を教えてください。
カトケン:役者は何があっても舞台に出ますので、色んなアクシデントがあるんですね。腰痛が酷い時に旅先で薬を変えたんですよ。それを飲んだら立っていられないくらい眠くなって。でも何百回と喋っているからセリフは何とか出てきました。

新井:グループ時代に日比谷の野外音楽堂でコンサートしていた時のことです。間奏の時にたくさんテープが飛んでくるんですが、振り付けでマイクを置いたらテープで埋もれて見えなくなっちゃったんですよ。でも僕は割と女の子からテープが飛んでこなかったので、マイクが見えているので取れるわけですね。ただその歌を覚えてなくて、口をパクパクしているのは嫌だからもう一回マイクを置いて他の人のマイクを探しました。まあ、歌を覚えてればよかったんですけれど。

忍 :舞台のセットが2階建てで、そこで絵を描きながら30分くらい寝てしまう役だったんです。怖いチンピラが出てきて、ハッと目が覚めて去らなきゃならないのに、2階がかなり照明に近くて暖かいので、すごい睡魔が襲ってきて椅子にもたれて本当に寝てしまいました。気がついたらチンピラ役の人がそばに居て椅子を蹴っているんです。一瞬、何が起こったのかわからなかったけど、何食わぬ顔で怖がるそぶりをして舞台袖にはけました。

●演劇鑑賞会で全国を旅公演するわけですが、あちこち回って感じることはありますか?
新井:加藤さんの鑑賞会を大切にされている姿勢を見て色々学びました。やはりみなさんがいないと劇団は成り立たないじゃないですか。役者とみなさんとの関わりが密で、大切だと感じました。
忍 :笑ってもらって拍手で包まれると本当に幸せでいっぱいです。毎日あれだけの拍手をもらえるのは、役者で経験したことがある人は少ないんじゃないかと思い、感謝しています。また、演劇鑑賞会に私くらいの世代が沢山入ってくれるといいのになあと思っています。

●大切にしていることや言葉はありますか?
カトケン:「遊びをせんとや生まれけむ 戯れせんとや生れけん」 (梁塵秘抄の一節)仕事やりながらも辛いことやりながらも、心を遊ばせるということですね。
新井:人を信じて頼ってしまうことです。大切にするというか、信じるというか。自分がズボラなので、引っ張っていってくれる人がいると楽なんですね。

忍 :愛。愛を感じて、愛を返すことですね。

●演劇鑑賞会へのメッセージはありますか?
カトケン:劇団が完成させたものを観せられるという感覚の人が多いと思うんですが、そうじゃないんです。料理と同じで、色んな贅沢な材料を使っても完成ではなく、それを食べてもらって、美味しいって言われたら完成で、不味いって言われたら失敗です。その結果が出る時が一番大事で、食べなきゃ完成しないんです。最後に完成させるのは演劇鑑賞会の私たちなんだと前のめりに能動的に観て欲しいです。野球だとファンの応援で試合が変わるように、芝居も同じく変わって素晴らしいことが起こるライブなんだっていうのをわかって欲しいです。




加藤健一事務所 第85回例会「バカのカベ〜フランス風〜」運営サークル活動報告


今回の例会「バカのカベ」は、3月21日の「魅力を知ろう会」に加藤健一さんが、彦根へお話に来てくださったことから、ムードがグッと高まりました。
4月23日には運サメンバー8人で永源寺町の山小屋風のお店で岩魚を食べながら作戦会議。とても楽しく話しに花が咲き、人との繋がりができました。
数日後、加藤健一さんから手紙で「もし80名の入会を達成できたら、彦根で私と仲間でミニコンサートを」との提案があり、大いに盛り上がりました。
加藤健一さんの演劇に対する熱い思いに魅惑されて「東京に観にいきましょう」と呼びかけ5名が観劇。
「劇が終わったとき、とっても楽しくて、楽しくて大感激したわ」と言った方が10名も友だちを誘ってくれました。
前例会から4ヶ月も間があり6回行った運営サークルの会議で「今回もまた同じこと・・・」と、少しうんざり感も感じられました。
長い間、運営サークルの代表をしてくださっている方も多く「近所の人も友だちも誘いつくした。
今の会員さんも年をとってこられ、観に来てくださることが、ひこね演鑑をささえてくださっている。」と、言われ大事なことだと思いました。
そんな中でショッピングモールパネル展での反響は大きく、後からも問い合わせがあり8名入会してくださいました。
その中には友だちを誘ってくださった人もいて、お誘いの輪がひろがっています。
 5月16日のシール渡しの日に運営サークルをしましたら、たくさんの人が集まってくださいました。さすが、主婦“お通し”や、持っていくものの話になると大いに盛り上がり、次の運サの日には、まずプチケーキの味見をしょうと決まりました。
その日は、デリシャス〜なプチトマト、甘い〜プチケーキで会議もグッと和やかになりました。
当日までに会員さんに“おバカ体験”の川柳を書いてもらい、例会当日カベに貼り、会員の方に好きだと思った川柳にシールを付けてもらうことにしました。急でしたが思ったより沢山集まりました。
 当日は運サの方々がたくさん集まり、皆で作業をしている部屋に加藤健一さんが、挨拶に来られたとき「ひこねって、すごい勢いがありますね。」と、言ってくださいました。
今例会入会者数は55名で、80名には全然足りませんでしたが55名はひこね演鑑では、今までの記録を更新しました。
会員数は591名になりました。
 今例会は加藤健一さんの大きな応援もあり運営サークルも盛り上がりました。
今回思ったことは、例会は運営サークルが主体的に自分たちできめる。
運営サークルを本流にすること。幹事が主体的に進めるのではないと聞いていましたが、まだまだそれに到達していないと思いました。
運営サークルが主体だと会員さんに自覚してもらえることが、会員も増え安心して演劇が観られるのでは・・・少しでも近づけるように話し合いたいものです。
    (オレンジ久  中村久恵)



「バカのかべ」運営サークルに参加して


初めての運営サークル
今回「バカのカベ」の例会で初めて運営サークルに参加しました。運営サークル会議も初めは まったくわからずただ出席しているだけでしたが、回を重ねるたびに会員拡大に対するみなさんの意気込み、又作品の内容についても理解できるようになりました。
そして例会当日、私はどうせなら楽しみたいと思い、いろいろなことに参加しました。
娘をまきこんでのお通しのケーキ作り・南彦根駅での俳優さんのお迎え・今まで知らなかった文化プラザの裏側がのぞける搬入など、どれも楽しかったです。
そして楽しみにしていた交流会、公演後でおつかれだったにもかかわらず7名の俳優さんが参加してくださり和気あいあいとした雰囲気でした。
普通ではとてもお話できない俳優さんたちですが、どなたも気さくで公演での苦労話や、ちょっぴりプライベートなこともお話できいい記念になりました。
私にとっては初めての運営サークル参加でしたが、いろんな方とお知り合いにもなれとても有意義だったと思います。
(チロリアンべルU 乾ひろみ)

第三の人生の始まり
ふとした縁で誘って頂いて、このようなサークルが有ることにびっくり。
まして例会の時、前の席で役者さんのセリフ、動き等初めから笑いをかもし出し、楽しい世界へとひきこまれていった。
花束贈呈や、有名人の方達との交流、70年余り生きて初めての経験ばかり、私にとってこれで第三の人生の始まり。
第一は青春時代、労音で音楽に目覚め、第二は子育て合間に京都、大阪へ観劇に足を運んだ。
2年前東京で喜劇のオペラを観て、色鮮やかな下着類が舞うあの笑いとは?
それ以来、生きていく上で切っても切れない笑いについてとても意識するようになった。
そして改めて「バカのカベ」を予習していれば、もっと深く理解できたであろう。
今から物語を見てもう一度鑑賞したい。フランス風というのは又違ったニュアンスが有るのかな…
新喜劇の藤山寛美さん、直美さん、今もって頭から離れない、これから後もっと学びたい。    (オレンジ久 井代一枝)


「演劇鑑賞会の魅力」「深さ」に感動
2回目の体験となる運営サークルは、岐阜県の大垣から来られた会員さんをはじめ、初めてお会いする方々と触れ合えることができ、とても楽しく充実したサークル活動をさせて頂き、私にとって良き思い出ができました。
今回、事前に、主人と私は、東京の下北沢本多劇場まで出かけて行き「バカのカベ」を観てきたことが、起爆剤となり目標会員数にこだわることなく、こんな楽しいお芝居をたくさんの友人や知人、職場の仲間のみんなで分かち合いたいと思ってお声かけをさせて頂きました。
お蔭さまで、サークルオレンジ静には、新入会員10名の方に入っていただく事ができました。
お誘いした友人は、私「30数年前の風間さんの写真集を、今も大事に持っているのよ!」と、話してくれ入会。
そして今回、30数年ぶりのその写真集に風間さんから直筆で「いつ迄も応援ありがとう」と記されたサインをしていただく機会が与えられました。
まさしく会員手帳に書かれている「素晴らしい演劇との出会い。素晴らしい人々との出会いの広場」でした。
この3か月間の運営サークルを通して、「演劇鑑賞会の魅力」「深さ」に感動しています。
「相田みつを」の詩をここで紹介します。
出逢い いつどこでだれとだれが どんな出逢いをするか それが大事なんだ
(オレンジ静 中村静
江)

運営サークル活動参加状況

サークル数 24サークル サークル
総人数 124名 参加率
運営サークル活動 第1回 14サークル 18名 58%
第2回 16サークル 23名 67%
第3回 14サークル 17名 58%
第4回 20サークル 25名 83%
第5回 15サークル 20名 63%
第6回 15サークル 12名 63%
まとめ 9サークル 11名 38%
クリアサークル率 14サークル /24サークル 58%
新入会員の運営サークル拡大率 37名/55名 67%

●バカのカベ例会アンケートから

▼バラの花は生が良いですよ。とても新鮮な楽しい作品でした。加藤さんの新しい喜劇の表現が素敵でした。心が軽くなりました。まだまだ頑張れるなと励まされます。ありがとう

▼色々と考えさせる面白いだけじゃない作品だと思った。演技自体は普通だけれど、笑えるのがすごい

▼初めての参加でしたが、楽しかった、よかったです。是非続けてください。お疲れ様です。

▼風間さんと加藤さんの軽妙な会話が抜群でした。風間さんの腰痛は本当に腰痛が在るかのようで、痛みが伝わってきました。最後もよかったです。

▼2時間以上の劇でしたが、ずっと笑の連続で声を出して笑っていました。終りの方は少し悲しい結果に・・・ ハッピーエンドを祈ります。風間さんが、本当に腰痛が来ないかと心配でした。

▼あの膨大なセリフを、何とも軽妙なテンポで進めるお二人はさすが!!本当のバカとは優しさを秘しおせっかいが過ぎ、行動的だと言う事でしょうか。楽しく笑える中に深い人間の本質を教えてくれた舞台でした。皆様お疲れ様でした。入会55名、おめでとう!!

▼事前にDVDを観ていてどこで笑えるのかなあと思っていたが、LIVEはそんな事を考えなくても笑った。また周囲の人が笑っているのにつられて笑う時もあった。事前の学習も芝居によるのか?

▼セリフの掛け合い(間合い)テンポが非常に良く、さすがだと思いました。知らない間にグングンお芝居に引き込まれていました。

▼笑わせてもらいました。前の方に座っていたので、セリフも聞き取れたし表情も良く見えて、よかった。

▼演劇の楽しさが充分味わえてたくさん笑いました。加藤健一さんのお芝居に対するプロ意識や、心づかいに感服しファンになりました。



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