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2006年10月11日(水)

劇団民藝 「明石原人」 ある夫婦の物語

例会報告

 今回746名という最高会員数で、劇団民藝「明石原人」を迎えることが出来ました。この人数は、会員皆さんの協力と運営サークルの努力と退会者が少なかった結果だったと思います。内容は運営サークルで13人、運営サークル以外で13人の26人の入会が会ったのですが、それまでに退会者が10人で、実質16人の会員増となりました。まず、第一回運営サークル会議8月5日(昼)8月8日(夜)どちらも9サークル11人の参加。作品についての話と、入会してもらうにはどうしたらよいのかをディスカッション風に話し合いました。結果、まず行動を起こそうということで、1サークル(または一人)で3人に声かけをしようという提案があり、みなの同意のもとで第2回、第3回に結果を報告しようということにしました。第1〜第4回までの運営サークル会議で、建設的な意見など、活発に話し合いが出来たことと、協力的な意見が多く、楽しく会議が出来ました。また、今回担当ではなかったのにもかかわらず、"めんこい娘"サークルが、劇中の現場を訪ねた折りの貴重な資料を目の当たりにし余計に感動し、雰囲気が盛り上がりました。例会当日、運営参加者は56名で、ロビー交流会も55人と、大勢参加され、出演の伊藤さん、南風さん、日色さん、千葉さんも出席いただいて、たくさんの感想、質問など、和やかなうちに終えることが出来ました。打ち上げをかねての反省会は、例会1週間後の10月18日(水)夜7時〜。参加者9人。事務所で、散らし寿司と茶碗蒸しで、楽しい中にも、厳しく、有意義な反省会だったと自負しています。例会当日、ばたばたしていて、行き届かないところもあり、今後の反省点として、一人一人が責任を持って仕事をしようという課題を残して、解散いたしました。

     
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アンケート集計結果(回収133枚)

期待していた・・・98 関心がなかった・・・7 期待していなかった・・・20
面白かった・・・51 考えさせられた・・・79 楽しかった・・・36
難解だった・・・7 退屈だった・・・4

演劇鑑賞会に誘われて・・・

 友達から、ひこね演劇鑑賞会に来ない?と誘われたのが6月、彦根でこんな公演があるなんて知らなかった私、何か刺激を求めていたときでもあり、何もわからないままに演劇鑑賞会の会員になり、第41回文学座公演7月19日のアラビアンナイト。第42回劇団民芸公演10月11日の明石原人と、2度の生の演劇を鑑賞することが出来ました。久しぶりに、心を揺さぶる感動を覚え、こころゆたかな気分になる事ができ、誘ってくださった方々に感謝しております。次の飢餓海峡、夫婦で楽しみにしているところです。私の主人は飲み会の席で友達を4人も誘ってくれました。気楽に代表者を受けてしまったサークルが、気がつけば、私の友達も含め7人にもなっていたのです。本当にびっくりです。私たちのサークルは、明石原人例会を運営担当することになり、サークルの皆さんとご一緒にお手伝いをしました。初めての経験で、戸惑いながらも、運営サークル会議に参加することにより、皆様のご苦労をはじめ、会員の自覚、会の運営等、演劇鑑賞会を少しばかり理解できるようになって来ました。年に5回の鑑賞会に、胸膨らませ感性を磨けることが出来たら、本当に幸せだと思います。支障のない限り参加し、会員の皆様と、感動を共有できることを願っております。思いもよらず、文化の一部に触れることが出来るようになり、たいへん喜んでいます。 ビバMサークル 松岡

ひとくち感想

*直良夫婦のあり方がとても良かった。しみじみとしたよいお芝居だと思いました。千葉さん、日色さん、伊藤さん、南風さん4人とも良かったが、なかでも南風さんのおばあさんがとてもチャーミングで素敵でした。一幕目で、考古学に関するセリフのところで少し難解だったのか、後ろからいびきが聞こえてきました。前から5列目に座っていたにですが、役者さんが背を向けてしゃべると、セリフが聞き取りにくかったのが残念。
*役者、すばらしく上手だった。近年、ひこね鑑賞会の最高の作品。さすが民藝。
*全体の中で、ここぞと思う核心に触れる場面は、水を打ったように静かに、息を詰めてみんながひとつになって鑑賞しているというような今まで味わったことのない良い緊張感、心地よい刺激がありました。ありがとうございました。
*今回は期待通りで素晴らしかった。学歴がないのに、頑張っている信夫の生き様。また、妻の夫を支え続けた姿が、とっても印象的でした。すばらしいお芝居をありがとうございました。
*話の中に入り込めてよかった。
*とてもよかった。内容がすばらしかった。人生、世の中、愛、すべてのものが語られていた。考古学という、一般的でない、あまり縁のない学問の分野で繰り広げられる人間ドラマの展開に、引き込まれてしまった。俳優の皆さんの熱演がすばらしかった。最前列で鑑賞できて最高です!
*暗い中での転換に、びっくりしました。どうやって移動されたのかと。(種を明かせば、鉄骨の回り舞台装置です。搬入、搬出に出られたらわかりますよ。次回ぜひどうぞ。)皆様の歯切れの良いお話、長いセリフ、すべてびっくり、話し方も自然で、笑いもあり、本当に良かったです。
*前から2列目の最高の席で観させていただき、民藝の皆さんのすばらしい演技を目の当りにし、大感激しました。また次回、楽しみにしています。
*場面の展開もとてもスムーズ。セリフも長い文言をああもスムーズによく喋ることが出来るものだと感心してしまいます。学会の閉塞性等々考えさせられました。聞かせるね〜。泣かせるね〜。
*本物の芝居でした。とっても分かりやすかったです。
*先生と生徒の出会い、結婚。発掘したのに、認めてもらえない矛盾。人生そのものを感じさせられた。老後の夫婦愛(先生、生徒の間柄でも、夫を尊敬している場面)自分自身の常日頃を反省している。最後に、下宿のおばあさんのとてもユニークな表現と、面白い演技に感動した。
*大変よかった。よく聞こえたし、わかりやすく、楽しいところもあった。日色さん、南風さん、伊藤さん、千葉さん、皆さんよかった!!
*考古学の世界にも、戦時色が強く感じられました。
*前半と後半で、ぜんぜん取り上げ方が変わってびっくりした。前半の素人発掘者に対する風当たり。劇中の人物には応援するが、現実身近なところにあんな人が出たらどうするか、やっぱりそんな時かととらえるところです。
*証明の間の取り方が、すばらしいと思います。
*南風洋子さんの軽妙洒脱な名演技に、楽しくて、狂言回し?では失礼でしょうね、でも要所で決められて、信夫氏の純情一直線、音さんの知的な存在。でも、戦争に突入、天照大神以前の人類は存在を認めようとはしない日本の体質を見て、慄然とした。今まさに、回帰?
*いつ観ても、民藝のお芝居は、台詞が聞き取りやすく、内容も深みがあり、しみじみと身にしみ込んでくる。劇団の実力を感じる。
*自分の夫婦感に置き換え、考えさせられました。人生も後半に入り、年老いたとき、あのような夫婦でいられたらいいなあ・・と思いました。互いに相手を思いやり、もり立てられる事で、人生を締めくくれるよう少し努力しようかなあ。
*今一度、夫婦のあり方を考えさせられました。面白さもありました。
*大変感動した。最後の場面、夫婦愛しみじみと、嬉しゅうございました。



【解説・物語】

ひたすら夢を追いかける夫とそれを必死にささえる妻。時代と境遇に挑みつづける夫婦の愛のかたちを、ユーモアあふれ、反骨精神みなぎる筆致で描きあげた小幡欣治さんの書き下ろしドラマです。

 明石の女学校教師・直良音(日色ともゑ)を、かつての教え子・村中信夫(千葉茂則)が訪れます。が、思いもかけぬ事態から、音は11歳も年下の信夫を婿にとることになります。生計のほうは音にまかせきりの信夫は化石を掘るのに夢中です。そして信夫は明石海岸で旧石器時代のものと思われる人骨を発見したのです。しかし、世紀の大発見「明石原人」は学歴社会の壁にはばまれて、小学校卒の信夫の業績とは認められません。挫けそうになる信夫を、音は叱咤激励しながら支えます。折しも満洲事変、日中戦争から太平洋戦争への時代。日本に旧石器時代があったという学説も、この国は神武天皇から始まったとする皇国史観に抵触します。しかも信夫の発見した人骨は、東京大空襲で焼失してしまいます…。

【出演者】
 
伊藤孝雄 高橋征郎 竹内照夫 角谷栄次 千葉茂則 境 賢一
齊藤尊史 吉岡扶敏 高野 大 神 敏将 今泉 悠
南風洋子 日色ともゑ 箕浦康子 仙北谷和子 細川ひさよ
相葉早苗 藤生真由 林 摩理子 裄V奈津美

直良信夫(考古学者)・・・・・・・・・・・・・・・・・千葉茂則
   音(その妻)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・日色ともゑ
   美恵子(その娘)・・・・・・・・・・・・・・・・・藤巻るも
田近せき(田近家の隠居)・・・・・・・・・・・・・南風洋子
   謙三(玉枝の夫)・・・・・・・・・・・・・・・・・高橋征郎
   玉枝(せきの娘)・・・・・・・・・・・・・・・・・細川ひさよ
   夏子(せきの孫)・・・・・・・・・・・・・・・・・中地美佐子
大谷史郎(夏子の夫)・・・・・・・・・・・・・・・・・高野 大
松宮雄一(東大助教授・考古学者)・・・・・伊藤孝雄
倉本(民間研究者)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・境 賢一
番場(民間研究者)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・角谷栄次
冬木(新聞記者)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・竹内照夫
弓川(教師 )・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・仙北谷和子
天野(教師)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・津田京子
村木(編集者)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・吉岡扶敏
相沢忠洋(岩宿遺跡発見者)・・・・・・・・・・齊藤尊史
田辺(東大大学院生)・・・・・・・・・・・・・・・・・大森民生
千代(直良家の女中)・・・・・・・・・・・・・・・・・相葉早苗
看護婦・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・河村理恵子
学生・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今泉 悠

【スタッフ】

作・・・・・・・・・・・・・小幡欣治
演出・・・・・・・・・・・丹野郁弓
装置・・・・・・・・・・・松井るみ
照明・・・・・・・・・・・秤屋和久
衣裳・・・・・・・・・・・前田文子
音楽・・・・・・・・・・・武田弘一郎
効果・・・・・・・・・・・岩田直行
舞台監督・・・・・・・中島裕一郎
照明助手・・・・・・・尾藤俊治
効果助手・・・・・・・吉原 敦
衣裳助手・・・・・・・金田正子
演出助手班・・・・・深川絵美 小宮和子 北田浩之

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