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文学座 ファミリーシアター

アラビアン ナイト




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脚色 ドミニク・クック |
鴇澤 麻由子 | 音楽 芳垣 安洋
演出 高瀬 久男 | 高良 久美子

配 役 物 語 どんな舞台? 


【運営担当サークル】
上藤陽子C、じゃからんだ、すみれ、あじさい2、澤C、ひまわり、杉原美智江C、雅、サークル八幡、中川達子C、那須洋子C、馬場久子C、
紫陽花、じょうだん、コスモス2、サスケの家、八上秀幸C、山路、チーム275、吉田清一C、チドリ

交流会の様子


         三木敏彦さんから記念の色紙贈呈                        早坂直家さんから記念の色紙贈呈

    
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   アラビアンナイトの公演によせて

 7月例会は文学座の「アラビアンナイト」です。アラビアンナイトを知らない人はいないと思いますが、正確に知っているかと問われるとあまり自信のない人が多いでしょう。
「アリババと40人の盗賊」、「船乗りシンドバッドの冒険」、「アラジンと魔法のランプ」の三つの物語は特に有名でよく知られています。
 この劇の中にもアリババとシンドバッドの話は取り入れられています。アラビアンナイトの元の題は、アラビア語で「アルフ ライラ ワ ライラ」すなわち「千一夜」です。日本では「千夜一夜物語」としています。
なぜこのような題が付いたかというと・・・。シャハリヤール王はある日、王妃が庭園で愛人の奴隷と乱行の限りをつくすのを見てしまう。信じていた妻の裏切りを許せずその首をはねさせる。それだけでは女性に対する不信と憎しみは治まらず、その後毎晩新しい処女を王妃にし翌朝その首をはねさせるということを千日もの間繰り返した。千人もの若い娘の命が奪われ、大臣のワジールは次の一晩限りの王妃をどう調達するか頭をかかえる有様。ワジールの娘シャハラザードは勇敢で、利口で、物語を読むことがなによりも好きでした。シャハラザードは父の苦境を助けるため、またこの国の娘達を救うため、王妃になる決心をします。
 城に召された夜、シャハラザードは妹にせがまれる形で、得意の物語を語り始めます。面白くて珍しい話が次から次へと続き、王様は、夜が明けてもシャハラザードを死刑にすることができません。話の続きをどうしても聞きたくて仕方がなくなってしまうからです。そして千一夜にわたる物語が展開する中で王様の心もやわらぎ、シャハラザードと3人の子供と幸せな生活を送ることになります。ただ3年たらずで3人の子供とは少し頭をかしげたくなるので、この劇ではもうすぐ子供が生まれるということになっています。
 なお、千一夜といっても千一の物語ではありません。五夜、六夜と語り続けるのもあれば、時には十夜以上続くものもあり、全体で二百数十話となります。この劇では、その中の六話、「アリババと40人の盗賊」、「ある乞食の物語」、「船乗りシンドバッドの冒険」、「アブ・ハサンが屁をした話」、「ものを食べない奥さんの話」、「妹をねたんだ二人の姉」が取り上げられています。

                                       ひこね演劇鑑賞会  代表幹事:八田光雄

「アラビアンナイト」例会報告

私たち、文学座「アラビアンナイト」の運営サークルは、5月19日に第1回サークル会議を始めました。その後4回のサークル会議を、昼と夜に行いました。毎回20人には届きませんでしたが、10人以上の参加者がありました。そこで、会議に参加されなかったサークルにも、ともに例会に向けて主体的に運営しようという意識を持ってもらえるように、また、クリアに向けて、みんなに、誘い合おうという気持ちが高まっていくようにと、運営サークルニュースを発行することにしました。楽しいサークル会議であることを知ってほしいし、アラビアンナイトのお芝居の見所や、面白さを伝えたいと、会議の内容をお知らせしましたが、クリアに向けて、ちょっぴり厳しいことも書きました。はじめは、なかなか厳しい状態でしたが、最終的に新入会員25人を迎えることが出来ました。なお、例会当日運営参加者は34人、複数人数がサークル会議に参加したサークルは5サークル、例会に向けてサークル集会を開催したサークルは2サークルでした。今回、クリアに向けて話し合った中で判ったことは、「見た目で判断しないこと」自分の思い込みで決め付けないことでした。何気なく、話をしたら案外簡単に入会してくれる人があったのです。次回の運営サークルの皆さんがんばってください。こんなことで、例会終了後の交流会は大いに盛り上がりました。劇団から三木さんを含め6人が来てくださり、サインをしてもらったり、写真を撮ったり楽しい時をすごすことができました。反省会は、連絡が行き届かなくて参加者が少なく残念でした。

アラビアンナイト例会入会者25人退会者22人

会員数730人   前回727人

正サークル99   正サークル101

準サークル54   準サークル50

アンケート集計結果(回収116枚)

期待していなかった・・・19   考えさせられた・・・・・・9

期待していた・・・88      楽しかった・・・・・・・76

関心がなかった・・・3      退屈だった・・・・・・・・3

面白かった・・・・66

難解だった・・・・・6

もっとパンフレットを

運営サークルの皆さん、ご苦労様でした!サークルを代表して出席だけはしておりましても、何の仕事もせぬままに、楽しませていただきましたことを心から感謝いたしております。今回は文学座の新しい歩みのひとつの方向を見出したようです。セリフも多く、動きも激しいものだっただけに、俳優が大変だったと思いますが、よく通る声で(一人だけ残念ながらちょっと聞き取りにくいものがありましたが)基本がよく熟されていました点を大きく評価したいと思います。

サークルの皆さんも、良く馴れておられてきびきびと、そして役割を十分に果たしておられたので、とてもよかったと思います。特にパンフレット(プログラム)を入り口でお勧めいただいていたのが、注目されました。どうか毎回あのような形が出来ましたら、少しずつ売れ行きが増加するのではと思います。(たとえば、交流会に出席された俳優の方々にサインをいただくなどは、パンフレットがあって初めてできるのですから・・・)。4時45分ころ受付へ行きましたら、かごの中にきっちり整頓された鑑賞会の広報誌が揃えられてあり、裏方の行き届いたお仕事に敬服し、また、それに折込をされた皆様の手の早いこと。見る見るうちに作業が終わりましたことも、素晴らしいことでした。私は駐車場係で赤い棒を振っていて、素晴らしいお天気に恵まれたことを何よりと独りで喜んでいました。会員の皆さんの幸運を思うと、赤い棒が自然に軽く大きく触れました。本当にありがとうございました。また次回の運営サークルでお出会いできることを楽しみにして、心からお礼申し上げます。皆さん、お幸せに、そしてお元気で・・・。

サークル八幡 津田

 

 一口感想

・いくつもの物語を、微妙に異なったトーンと雰囲気でつないでいく手法に感心しました。アラビアンナイトの出来るまでのプロセスも良くわかりました。ユーモアの中に潜められたペーソスが魅力的でした。俳優さんたちの熱演に心を打たれました。アラビアンナイト全編を読んでみたくなりました。今日、本当に演劇を堪能しました。

・最初どんな物語か判らず、期待していなかったが話が進むたびに「お話」の魅力に引き込まれていき、自分も王様のように次々に話を聞いてみたいと思った。限られた人や舞台装置や衣装でのすばらしい表現力だった。また、この機会に表現のすばらしさに触れた。

・よく知っているアラビアンナイトだが、奇想天外な話をどう舞台化するのか、興味があった。でも飽きさせないうまい演出で感心した。子供にも十分楽しませ観せられるじゃありませんか。後半の深さには驚きました。今一度物語を読み直したいと思います。

・楽器の音色、効果がすばらしかった。数々の物語の移り変わりがテンポよく、面白かった。

・今回より例会に参加させてもらい、楽しいひと時を過ごさせてもらいました。昔に知ったアラビアンナイトを思い出しながら、時間の過ぎるのを忘れてしまいました。10月の例会、期待しています。

・大変楽しく、前の席で拝見できてよかったです。中学生や高校生にも観てもらったらよい作品でした。童心に返ったようでした。

・大変楽しかった。子供に帰ったような心で物語の進行に胸を弾ませた。この物語の生まれたイラン、イラク、そしてバクダットは、こんな豊かな古い文化があるのだと、イラク戦争下の民を思います。アメリカに怒りがわきます。

・今回は、せりふはとてもよく聞こえ、スピードが速く、うとうとする間がありませんでした。楽しく、面白かったからですね。生演奏にも感動しました。面白い楽器なのに、とてもよい音色でした。子供さんにも観てほしい作品でした。

・前から2番目の席で、役者さんたちの汗や細かい表情が楽しめました。簡素な舞台装置で、きらびやかなアラビアンナイトの世界をどう表現するのか?!と思いましたが、生の音楽、証明、かぶり物、マスク、小物、そして若い役者さんたちの躍動感あふれる動きでみごとに、われわれをその世界に引き込んでくれました。妹役のお嬢さんのくるくる動く瞳が魅力的でした。まだまだいろいろなお話を聴きたいものです。

・回り舞台がとても生きていた。皆さんの姿が綺麗で良かったです。音の拾い方がすばらしい。話し声も、楽器の音も。

・ミュージカルは、どの席にいても割りと聞きやすかった。休憩後のほうがテンポもよく、楽しめた。さまざまな舞台装置があるということもよくわかる。


:出演:
三木 敏彦早坂 直家沢田 冬樹助川嘉隆
木津 誠之
亀田佳明松角洋平山本 道子香月弥生
名越志保
目黒 未奈山田 里奈松角洋平
                               ほか 14名
:演奏:
外村史郎・太刀川亞希
:スタッフ:
美術 …… 島 次郎 | 衣裳 …… 出川 淳子
照明
……
中山 奈美
|
音響効果
……
斉藤 美佐男
振付 …… 新海 絵里子 | 舞台監督 …… 加瀬幸恵
音楽 …… 芳垣安洋 | 演出補 …… 田 俊哉
高良久美子 | 制作 …… 富田欣郎

【 配 役 】
三木敏彦 ワジール/盗賊の頭/死刑執行人/船乗りのシンドバッド/
祭司/ハルン・アル・ラシッド/大臣/老人
早坂直家 シャハリヤール/偉い人/王
 
沢田冬樹 アブダーラ/コック/荷かつぎのシンドバッド/
敵/シディ1/庭師
助川嘉隆 カシム/仕立て屋/ルフ鳥/叔父
パン屋/料理人
木津誠之 アリ・ババの息子/乞食/商人1/葬儀屋/
人食いお化け/近所の人/犬/ファルーズ
亀田佳明 アリ・ババ/医者/商人2/友人/
蛇/シディ2/バーマン
松角洋平 奴隷/ババ・ムスターファ/質屋/商人3/ルフ鳥/
アブ・ハサン/人食いお化け/近所の人/犬/料理人
山本道子 女/カシムの妻/医者の妻/王/
叔母/母親/客2/庭師の妻/老婆
香月弥生 若い女/アリ・ババの妻/警察署長/
侍女/花嫁/アミナ/次女
名越志保 女王/モルジアーナ/仕立て屋の妻/
見張り人/結婚斡旋人/客1/長女
目黒未奈 シャハラザード/魔女娘/末っ子/鳥
 
山田里奈 ディーナザード/薬屋/召使い/
小姓/少女/ファリザード
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【 物 語 】
 むかしむかしの、はるか彼方の遠い国……。きっと誰もが聞いたことのある「アリババと40人の盗賊」や「船乗りシンドバットの冒険」をはじめ、「ある乞食の物語」「アブ・ハサンが屁をした話」「ものを食べない奥さんの話」「妹をねたんだふたりの姉」など、美しい娘シャハラザードが千と一夜を語り紡いだ数々の物語。その摩訶不思議な物語はいつしか王様の冷たい心を溶かし、やがて人々を救う歓喜の輪になってゆく……。
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【どんな舞台?】
 『アラビアン・ナイト』と文学座
中村哮夫(演出家)

  私は雑誌『悲劇喜劇』3月号の、昨年のベストは?という問いに答えた一文に、この『アラビアン・ナイト』を挙げた。理由はその舞台空間がキラキラ輝いていたから、その空間の粒子がピチピチ新鮮にはじけ飛ぶような躍動感に溢れていたからである。これは二つのことを意味する。その一は高瀬久男の演出が深い井戸から地下水を汲み上げるように、原作と脚本から魅力をたっぷり汲み上げて、それを恰も練達の消防士が適確に火元に水を注ぐように、演劇の秘密のツボに注ぎ続けたからである。その二は俳優のアンサンブルのよく実った果実のような熟成度である。観劇直後の感想には、良かったや面白かったの上に美味しかったという形容を加えたかった。この演出のリードと演技集団の緊密ということは元来「新劇」の基本だった筈だ。ところが昨今の日本演劇界では、作家の独走か、演出家の自己顕示か、スター的俳優の突出か、というケースが数多く見られ、この公演のような「演劇」の純化は貴重なものであり、多くの芝居好きの人に見てもらいたかった。
  そこで一つの疑問に突き当たる。それはこの公演に冠された「ファミリー・シアター」という肩書である。このネーミングのお子様ランチ式の響きが大人の観客を逃してしまったのではないか、というのが第一の懸念。第二に、少年少女に、または親子にいい芝居を見せるというコンセプトに異議ある筈はないが、そこにほんのちょっぴりだが「与える」という姿勢が匂ってしまうことである(もっともこれは児童演劇の根本的問題であろうが)。ここで忽然と思い出したことがある。昭和13年の文学座旗揚げの試演会プログラムに於ける、久保田、岸田、岩田、三創立者の挨拶文である。≪……真の意味に於ける「精神の娯楽」を舞台を通じて知識大衆に提供したいと思います≫六十数年を経て今読んでもなかなか格好いい。この中の≪知識大衆≫という言葉には深い意味がこめられていると思う。それはこの時代の歴史的位相からすれば、一時代前の左翼演劇の言う「労働大衆」でもなく、この直後の戦時下の「軍国大衆」でもない、「真のリベラルを希求する人々」と読むことができるからである。とすれば「文学座」という命名にもそれにつながる道筋はある筈だ。こと程左様にネーミングは重大な意味を持つことがある。「ファミリーシアター」はちょっと安易だった気がする、というのが私の直言である。ただし舞台成果はここ数年の文学座公演の中でも出色の出来栄えであったと思う。勿論大人向けも子供向けもない「演劇」としての次元での話である。
  『アラビアン・ナイト』は一種のミュージカルでもある。ブロードウェイ流でもない、ブレヒト=ワイル流でもない、ごく自然発生的に歌と踊りが入ってくる。しかしいつの間にかそれが劇のひとつの核となっていて、浮き上がってしまわない。「音楽」と「舞踊」を「演劇」がしっかりと消化吸収している。そこがいい。二十一世紀の演劇は音楽や舞踊と深く結び合うようになるだろう、という言い方は早くからされていた。それを実験としてではなく当然のことのように成果をあげたところが心憎い。また、近年童話の中にひそむ残酷さを云々する説がよく聞かれる。ブロードウェイでも『イン・トゥ・ザ・ウッズ』(スティーヴン・ソンドハイム作詞作曲)という多くのグリム童話で構成したミュージカルが80年代終わりに作られ、一昨年再演されて去年のトニー賞のリバイバル部門で受賞している。童話やお伽噺の中には人間性のまるごとがひそんでいて、そこから引き出す目さえあればどんな苛酷なドラマを紡ぎ出すこともできる。『アラビアン・ナイト』もその好例であろう。
  脚本のドミニク・クックはイギリスの演出家だそうだが、舞台の具体をよく知っているということのプラスが大きく出たように思う。そしてこの本の特長は日本の狂言のように「この辺りの者でござる」式の自分に関する紹介やト書きを自ら言うことや、その語りからリアルな台詞に移る呼吸は、歌舞伎丸本物での義太夫から役者の台詞へ移行する流れのそれであり、その辺は日本人の方が外国人より受け入れ易い下地があるかもしれない。またそれが写実オンリーの会話劇より豊かな演劇的富を持つという成り行きにもなった。そして劇中劇の有名なエピソードは勿論だが、それらをつなぐ現実というか狂言回し的部分も、簡潔だが劇的テンションを持ち続けていたことが成功の一因だろう。高瀬久男の演出は青山円形劇場の丸い舞台の上に四方から見られ乍ら、きわめて高い集中力も持って劇を構築した。3年前のアトリエでの『マイ・シスター・イン・ディス・ハウス』も空間の把握に抜きん出た演出力を示したが、文学座にはどうしてこう若い演出家が生まれてくるのだろう。それは座内の自由な空気ということもあるのだろうが、同様に若い女優が次々と出てくるのにも目を見張る。今公演では目黒未奈名越志保から目が離せなかった。他の俳優も皆いいが(大勢が一人何役も重ねていく重層性が生きていた)、特に三木敏彦早坂直家の二人には拍手を送りたい。再演に期待するところである。

  演劇はまさにライブ、小・中学生の皆さんにその魅力を存分に味わってほしい。
親と子が共に楽しめる舞台を提供し、同時に新たな観客層の拡大もはかりたい。そんな主旨から昨年夏に誕生した<文学座ファミリーシアター>は、おかげさまで予想をはるかに越える大成功をおさめることができました。
  ロンドン初演で絶賛を博したドミニク・クック=脚色、鴇澤麻由子=訳『アラビアン・ナイト』を上演作品に選んだこと。すでにもうそこで今回の成功は約束されていたといえるのかもしれません。さらに、この舞台成果が高く評価されて毎日芸術賞・千田是也賞を受けた高瀬久男の演出。美術の島 次郎さんや衣裳の出川淳子さんをはじめとするスタッフの功績。ヴァイオリンとパーカッションによる素敵な生演奏。そして、12人の俳優達が次々に役を変えて、軽やかな歌と踊りとともに繰り広げる見事なパフォーマンス。それらすべてが絶妙のアンサンブルを生み出して、文学座ならではのアラビアンナイトの夢の世界を作り出したのです。
  上演台本の原作となる「千夜一夜物語」は、アラビアやペルシャの人たちが大昔から語り継いできた物語をアラビア語に書き取って、本の形にまとめたもの。インドやギリシャなどから伝わった話もあれば、古くは8世紀、新しいものでは16世紀頃に
できた話も含まれているそうです。この物語集が18世紀初頭にフランス語に訳され、やがて全世界へと流布して永遠のベストセラーとなりました。
  アリ・ババ、アラディン、シンドバット……。おなじみの主人公達が活躍する260以上もの物語。内容も登場人物も時も所も違う話を一冊にまとめるには、話と話をつなぐ仕掛けが必要となります。そこで、語り手のシャハラザード登場、聞き手はペルシャの王様です。妃に裏切られた王様は人間不信に陥り、毎晩、娘をひとりずつ宮殿に連れてこさせては、翌朝殺していました。そんなありさまに心を痛めたシャハラザードは志願して宮殿におもむき、毎夜毎夜おもしろい話を王様に聞かせます。その話についつい引き込まれた王様は、最後には自分のあやまちを悔いて、シャハラザードを妃として迎えたというのです。
  好評に応えて再演される『アラビアン・ナイト』も勿論、同じ展開を経てハッピーエンドを迎えます。楽しくおもしろく摩訶不思議な物語、歌と踊り、ライブ演奏などがひとつに溶け合い、アラビアンナイトの果てしない夢の世界に貴方を誘うことでしょう。是非ご家族ご一緒に『文学座ファミリーシアター』をお楽しみください!!

 昨年の夏、文学座初のファミリー企画として初演され絶賛を浴びた傑作舞台、多くの要望に応えての早速の再演です。軽やかな歌や踊りとともに次々と繰り出される物語の数々は、ライブ演奏により際立つ臨場感とひとつに溶け合い、アラビアンナイトの果てしない世界に貴方を誘うことでしょう。是非ご家族ご一緒に、文学座が魅せる夢の世界[ファミリーシアター]をお楽しみ下さい! 演出の高瀬久男は、この舞台成果により毎日芸術賞の千田是也賞を受賞したばかり。それぞれに素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた演技陣もすべて初演のままで、楽しく面白い舞台はまさに保障済みです。
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