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第38回例会

竜馬の妻とその夫と愛人

作/三谷幸喜 演出/山田和也  
出演/佐藤B作、あめくみちこ、佐藤稔 瀬戸陽一朗

「竜馬の妻とその夫と愛人」例会報告

1、会員数増加内訳

  @当日 743名の会員 ※例会当日の総入場者数:594名 (新入会は20名で、過去最高の会員数!

  A運営サークルが増やしたのは12名

2、例会雑感 

  今回の搬入は、朝9時集合。30分くらいで終了しました。舞台の大道具は黒っぽいものが多く、こまごましたものがあまりなく、いったいどんな舞台?と思っていました。でも、舞台転換や休憩もなく、4人の出演者だけで、よくまあ、あれだけ演じられるものと思いました。「楽しかった」「面白かった」の感想が大変多く、よかったなと思います。ロビー交流会では4人の出演者がそろって出てくださり、会員もたくさんの参加で盛り上がりました。松兵衛役の瀬戸陽一朗さんは、当日が初演だったようですよ!楽屋見舞いは、おにぎり、かやくご飯、みかん、お漬物オードブル。それに加えて、B作さんがご自分の出身地福島県の郷土料理「いかにんじん」が大好物らしいということを、インターネットで知ったメンバーが、自作の「いかにんじん」を作って差し入れてくださいました。各部屋には、ペットボトルで作った花瓶に野の花。(これも運営サークルのメンバーの1メンバーのアイデア!ペットボトルを横にした状態で、適当な大きさの口をあけて花を生けてくださいました。素敵ないけばなでした。後の片付けも楽でしたよ!)運営サークルが回ってくると、それぞれご自分の得意なことやアイデアを生かしてサークルの案内文を書いたり、差し入れなどを考えたりなど、運営サークルのみんなで協力し合って、楽しく、例会を迎えるという状況が広がってきていることを、実感しました。

 アンケート集計(回収118枚)

期待していた・・・98   期待していなかった・・・16

関心がなかった・・・2   考えさせられた・・・10

面白かった・・・96    楽しかった・・・63

難解だった・・・0     退屈だった・・・1

「竜馬の妻とその夫と愛人」と私

今回の例会は、運営サークルとして「赤い月」の搬出作業や、サークル会議にも出席させていただき、念願の会員増強も出来たことに、大変喜びを感じておりました。そのような時、友達から、12月6日出発の美ヶ原温泉一泊と「信州善光寺(ご開帳)参詣の旅」のお誘いに、帰りが例会日となることでお断りしていましたが、行くことになり、翌例会日、岐路に着いたのですが、1分でも早く「ひこね文化プラザ」へとの思いでうとっともせず、標識と地図を眺めていました。最後の休憩を「養老サービスエリア」で取り、17時45分米原I・Cに迎えに来てくれた家族のおかげで、18時10分に文化プラザに入ることが出来ました。今回は「アー12」の席で、最後まで少しの聞き漏らしもなく、大変楽しく観劇させていただいた上、交流会の席ではご褒美に「色紙」までいただくことが出来ました。これもまた、感激でした。本当にありがとうございました。

ひとくち感想

*期待していた通り、面白い舞台でした。少人数でたくさんのせりふなのに、少しの間延びもせず、さすがにベテラン俳優さんたちだと、ひきつけられました。天国の竜馬さんも、苦笑いされてることでしょう。

*あっという間の2時間で、面白かった。

*面白かった。長いせりふも多かったし、すばらしかったです。ありがとうございました。

*両親の出身の高知弁、懐かしく思いました。楽しかったし、面白かったです!

*とても楽しい芝居でした。また来てほしいヴォードヴィルショーでした。休みなしで大変だったと思いますが、私たちはとても楽しかった。

*三谷幸喜さんの作品で面白かった。

*とても楽しくあっという間に、時間が過ぎました。こう楽しいものが、いいですね。

*幕が開く前の軽快な音楽。どんな劇だっけと、案内を見れば作、三谷幸喜、なるほど、と納得。中身はあっと驚く、意外性と楽しさ。本当に楽しみました。

*B作さんの熱演に感激しました。まことにうまいストーリーであった。三谷さんの話作りの上手さは、一流だと思います。

*久しぶり面白かった。大変上手で、退屈しなかった。

*とても判りやすく、感動した。*言葉がはっきりしていて、よくわかった。

*前の席で見せていただき、おりょうさんをめぐる3人の男性の、それぞれの、感情と振る舞いがユニークで、楽しかった。よいしわが増えたと思う。*最初から最後まで、同じ舞台で、登場人物も少なく、せりふも長いので、持ちこたえられるか(観客の興味が持続するのか・・・)そんなで出だしだったから、しかし、会話が面白く、舞台の中に引き込まれてしまった。また、虎蔵の出現でどんでん返しがあり、最後まで目が話せなかった。

*さすが三谷幸喜さん!!とても笑わせてくれました。役者陣も、芸達者で、メリハリが効いていて、爆笑したり、それぞれの登場人物の生き方が、一途で悲しくて泣かされたり、それでも、後半の、夫の松兵衛の「・・・竜馬の足元にも及ばないが、僕は生きて君を愛せる・・・」というくだりに、すごく共感できて、だから「元気に生きていこう」という、メッセージが。感じられてよかった!!

 

 

 

 

 

 

(あらすじ)
明治十二年。坂本竜馬の十三回忌を翌年に控えたある寒い冬の夜。元海援隊士の菅野覚兵衛(佐藤 B作)は、竜馬の未亡人、お竜(あめく みちこ)を訪ねて横須賀にある長屋へとやってくる。お竜は、「つる」と名を変えて、今は大道商人・西村松兵衛(
瀬戸陽一朗)の妻となっていた。
松兵衛はお竜の幼なじみで、いわゆるテキ屋稼業。竜馬が死んでまだ日も浅いうちに電撃再婚した相手だ。竜馬の妻だった頃から、個性の強く、勝気な性格ゆえに竜馬の同志たちには大変嫌われていたお竜。竜馬の死後には坂本家からは絶縁、同志たちからも経済的な援助を一切拒否されてしまい、暮らしに困り果てていた。その経済的な理由と、自分をないがしろにした海援隊の奴らに対する嫌がらせ&腹いせから、異様に地味で冴えないテキ屋のオヤジと再婚したものの、一時は竜馬と幕末の動乱を駈け抜けたお竜。すぐに平凡な松兵衛との刺激のない生活に満足出来なくなり飲んだくれ、あげくにテキ屋の元締め・虎蔵(佐渡 稔)とデキてしまう。
明治維新のヒーロー・坂本竜馬の未亡人がテキ屋と再婚し、しかも旦那の仕事仲間と不倫関係にある事が世間に知れたらイメージダウンも甚だしいと、今や明治政府の高官となっている元海援隊の連中も頭を抱える。来年は竜馬の十三回忌。嫌が上でも、世間の注目は竜馬の未亡人に集まる。その前になんとか手を打たなければ。
かくして、元海援隊士で、今は海軍少佐になっていた覚兵衛が政府から派遣され、お竜の住む長屋へとやって来たのだった。だが、出迎えたのは松兵衛一人。お竜はもう何日も帰ってきていないようだ。実はこの覚兵衛、竜馬の十三回忌の打合せで会いに来たとは表向きの理由で、政府より別の使命を抱えてきているのだが ・ ・ ・。
そこへ、お竜がなんと愛人の虎蔵を連れて戻って来た ・ ・ ・! 

(劇団紹介)
佐藤B作が主宰。誰にでもわかる軽演劇(ヴォードヴィル)をやろうと1973年に結成。日本の喜劇を追求し続けている。

(コメント)
シチュエーションの面白さ、テンポのよい舞台づくりで定評のある三谷幸喜お得意の幕末もの。軽快な喜劇の向こうに、激動の時代を生きる人生の悲哀も透けて見えると好評

 

「竜馬の妻とその夫と愛人」の公演によせて

竜馬の妻とその夫と愛人」なんか変な題ですね。

竜馬の妻はおりょうですが、その夫と言えば当然竜馬のことと思うでしょうが違うのです。この劇は、竜馬の死後10年以上たった明治13年の話になっています。

したがって分かり易く言えば、竜馬の妻だった「おりょう」(あめくみちこ)とその再婚相手の西村松兵衛(瀬戸陽一郎)とおりょうの愛人虎蔵(佐渡稔)の話と言うことになります。

 もう一人重要な登場人物が菅野覚兵衛(佐藤B作)です。舞台に登場するのは以上の4人だけです。

作者の三谷幸喜は、「東京ヴォードヴィルショーに芝居を書くのはこれで4作目、自分の劇団を休み人の劇団に本を提供することに僕は、抵抗がある。しかし座長の佐藤B作さんに頼まれるとどうしても断われ切れないのだ。B作さんと言うのは、不思議な魅力を持った人で打ち上げの席での幸せそうな姿を見ると(ああ、この人の為にまた働きたい)と思ってしまうのだ。彼の喜ぶ顔が見たいが為に、今回も引き受けてしまった。」と書いています。

また、この作品を書いた動機を次のように書いています。「今回は坂本竜馬の妻おりょうさんの話。たまたま読んだ本に、彼女が竜馬の死後再婚したことが書いてあり気になったので調べてみたら、相手はなんと子供に駄菓子を売る大道商人、竜馬とのあまりのギャップに面食らう。さらに資料を読み込んでいくと、その人は竜馬が生きている頃から彼女にアタックしていたらしいではないか。つまり竜馬の恋敵。しかも大抵の本には、おりょうさんが再婚した年は明治18年と書いてあるけれど、もっと前と言う説もある。竜馬が死んでからそんなに時間がたってない頃の可能性も。それを知った時これは絶対何かあるぞと思ったわけです。そしてこの『何か』は絶対芝居になるぞと・・・。」

 舞台は横須賀観念時、西村松兵衛の住むボロボロの貧乏長屋。そこへ海援隊出身でおりょうの妹と結婚し、海軍少佐に出世した菅野覚兵衛が訪ねて来る。竜馬のかつての同志達、今や政府の高官や軍の幹部に出世しているが、この年竜馬の13回忌を開こうとしていた。覚兵衛はその13回忌におりょうを招く為に訪れたのだが、おりょうは家の外に愛人を作り昼間から飲み歩く毎日を送っている。覚兵衛は勝海舟から竜馬の名誉を守る為には、場合によってはおりょうを切り捨てろと命じられていた。ひそかに「おりょう」に思いを寄せている覚兵衛は、斬るべきか斬らざるべきか悩みながらだらしない夫:松兵衛にもいらいらさせられる。その覚兵衛と松兵衛のやりとり、そこへ酔っ払って帰ってきたおりょうが絡んだ会話の絶妙さは三谷幸喜ならではだ。

さらに怪しげな虎蔵が話を混沌とさせる。最後は竜馬の死に絡む秘密が明らかになり

「アッ!」と言わせられる。どうぞお楽しみに。

                                       ひこね演劇鑑賞会

代表幹事 八田 光雄

 


あめくみちこ


佐渡 稔


佐藤B作


 瀬戸陽一朗

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