もどる


第108回例会

2019年6月21日(金)

青年劇場公演 

  みすられた島

作・演出=中津留章仁
 美術=乘峯雅寛
 照明=石井宏之
   (有限会社ブライト)
 音響効果=佐藤こうじ
 (Sugar Sound)
 衣裳=宮岡増枝
 舞台監督=青木幹友
 宣伝美術=増田絵里
   (Design Port)
 製作=福島明夫

20XX年
寝耳に水の「独立話」に島は大さわぎ
島長宅に集まって憲法会議が始まった

敗戦直後に作られた
幻の“大島憲法”に想を得た近未来劇。
突然の独立通告に揺れる一つの島を舞台に
中津留章仁氏と青年劇場が
初タッグで描くこの国の未来!


※大島憲法とは――
1945年のポツダム宣言時、日本の施政権を本州、北海道、九州および四国に絞る方向が出されていた。翌1946年1月下旬、米軍から伊豆大島の元村村長に日本から切り離される旨が伝えられたため、村長を中心に島の独立が準備され、憲法草案が作られる。3月上旬には草案がほぼ出来上がっていたが、同22日、伊豆諸島を再び日本本土に復帰させる行政分離解除が発令され、かくして大島の独立および「大島憲法」は幻となった。





20XX年。とある島。戦争が終わって安堵していた矢先、突然本土から独立を言い渡される。「独立するってどんなこと?」と当惑する島長(しまちょう)一家のもとに、島の有力者たちが次々と集まってくる。とにもかくにも憲法を、と議論が始まり、侃侃諤諤(かんかんがくがく)、喧々囂々(けんけんごうごう)。長い会議のそのかげで、将来不安から脱出しようとする人々も。
島の未来と個々の事情、愛憎がからまって、はてさて一体どうなる!?

中津留章仁(なかつるあきひと)
トラッシュマスターズ主宰。 東日本大震災と原発事故を真正面から扱った『背水の孤島』で、2011年、第19回読売演劇大賞・選考委員特別賞、同・優秀演出家賞、第46回紀伊國屋演劇賞、第14回千田是也賞などを受賞。演劇関係者のみならず、映画・テレビ関係者からの熱い支持を集めるいま最も注目される劇作家・演出家の一人。

初演(2014年)の劇評より

「群を抜く「みすてられた島」の面白さ。いまそのものの問題を深く考えさせずにはいられない力感に満ちたもの。」
(村井健氏・「テアトロ」2014年7月号)

「作者・中津留章仁の若々しい筆は、日本現在のアクチュアルな問題をしっかと見すえてたじろがず、きわめてリアル。」
(大場建治氏・「テアトロ」2015年3月号「2014年舞台ベストワン」より)

「人間喜劇の群像劇で現代の国際政治を抉った。達者なものだ。」
(山本健一氏・「悲劇喜劇」2015年3月号「2014年演劇界の収穫」より)


もどる